イギリス自転車事情
2010年 01月 11日
このブログはナローボートの話題が中心ではあるんですが、
最近は自分が自転車で通勤していることもあって、
取材時には自転車事情も気になっています。
以前は、それこそナローボートに自転車を積んで旅するとか、
アウトドアの一環として使っている人がほとんどだったイギリスですが、
最近はエコブームと不況のせいなのか、
街中でも自転車をよく見るようになっています。
今回は、一昨年の取材から、イギリスの自転車事情をのぞいてみることにしましょう。
●自転車の風景●
まずは、やはり運河沿いから。
ロンドンのリージェンツ運河のトゥパス。
トゥパスをサイクリングロードとして使っていい場所は限られているのですが、
実際にはほとんど守られていません。
この場所はいいはずですが。
こちらも同じリージェンツ運河。
小径車が駆け抜けていきました。
コッツウォルズのグロスター・ドックで見かけたプラスチック・ボート。
自転車搭載率は、ナローボートよりプラスチックのほうが大きいようです。
オックスフォードで見かけた親子4人連れ。
車道で危なっかしい!
とつい思ってしまうのは日本人だからかもしれません。
オックスフォードの路地裏で談笑していた若者。
学生たちにはMTBが人気のようです。
自転車を看板代わりに使っている店も結構ありました。
オックスフォード運河にて。
ここでもトゥパスがサイクリングロード代わりに使われています。
湖水地方、コニストン湖のコテージにあるティールーム前に駐輪してあったランドナー。
このコテージは、
アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』に出てくる農場、
「ハリ・ハウ」のモデルとなったところです。
上の2台のオーナーもティールームでお茶を飲んでいました。
この時の話は、先に出版した『イギリス水辺の旅』にも書いています。
こちらはロンドン。一気に都会にやってきました。
バスと自転車が車道の左側をいっしょに走ります。
オックスフォードの近郊にあるアビンドンで見たキッズ用トレーラー。
これ、すごく惹かれるんですが・・・・・。
日本では歩道が多すぎて、無理かな?
●駐輪事情●
ブリストルのウォーターフロントエリア。
柵などにくくりつけて駐輪するのが、イギリスでは一般的です。
スウィンドン駅の駐輪場。
プラットホーム上に駐輪場を設けている駅が多いのが特徴です。
こちらもホーム上の駐輪場ですね。
子供用シートを取り付けてママチャリ風にしている自転車があります。
ロンドン郊外レディング駅。
駅舎の外が駐輪スペースとなっています。
大きな駅になればなるほど、
駐輪場が駅の外に置かれているケースが多いように思います。
オックスフォード市内。
駐輪には、どこかしらチェーン錠を巻きつける場所が必須です。
オックスフォード駅前の駐輪場。
学生の多いオックスフォードは、自転車度が特に高い町です。
この駐輪場も、ほとんどすき間がありません。
ロンドンのキングスクロス駅。
ここは本来駐輪場なのでしょうか?
重なり合うようにして、雑然と駐輪されています。
オックスフォード度並ぶ大学町、ケンブリッジ。
中でも有名なキングズ・カレッジの前にて。
ロンドンでは、電柱という電柱(?)が駐輪場代わりです。
●自転車は鉄道に乗って●
イギリスでは、原則、鉄道に自転車を積み込むことができます。
折りたたみである必要はなく、
またカバーをかけなくてもOKです。
混雑度などの点で、日本とは単純比較できませんが、
輪行用のおおきなバッグを用意しなくてはいけない日本から見ると、
うらやましい環境とはいえるでしょう。
ロンドン・パディントン駅で。
駅の構内を自転車が悠然と走っています。
構内での乗車は確か禁止されているはずですが、
大目に見られているのでしょう。
特急列車には自転車用のカーゴスペースがあり、そこに載せなくてはいけません。
イギリス人は、列車の到着前に自分の目指す車両の前であらかじめ待つようなことをしないので、
入線後にあわてて自転車用の車両に走る光景が見られます。
レディンング駅。
でも、自転車を積み込むまで列車はちゃんと待っていてくれるから安心。
遅延が問題になっているイギリスの鉄道ではありますが、
時刻表通りに走らせることだけが能ではないような気もします。
こちらの男性2人組は、これからどちらへ?
レディング駅。
●自転車をめぐる話題●
これは「自転車通行可」のサインだったと思います。
日本では「自転車=歩行者」という扱いがまだ主流ですが、
イギリスではきちんと分けられているのです。
そうはいっても、タテマエとホンネはここにもある。
実際には、歩道や歩行者用道を平然と走る自転車がイギリスでは結構多いのです。
このチラシはレディングの友人宅で見たものですが、
歩道への自転車乗り入れに対して罰金の警告を発しています。
そしてバンダリズム(破壊行為)や盗難の問題。
これは自転車に限ったことではありませんが・・・・・。
今までドアが閉められていて何の部屋なのか分からなかったのですが、たまたまスタッフが開けた時に中が見えて、数台自転車が停められているのが見えました。
地下鉄駅構内にこんな秘密の部屋が存在していたとは、、、とちょっと発見して嬉しくなったのですが、こちらでは自転車って単なるママチャリ以上の存在感がありますよね。