江戸川そして利根川:高瀬舟~通運丸がたどった道を行く
2005年 06月 28日
江戸、そして東京になくてはならなかった川の道。そのルートを、小さなボートで乗り継いでたどってみた。初日は東京中央区の勝どきマリーナ(写真左)から和船に乗り込み、一路松戸を目指す。「通運丸」のルートをたどるのであれば、本来なら小名木川を通るべきなのだが、現在工事中の荒川ロックゲートが完成するまで荒川に出ることができないため、豊洲運河から砂町運河、葛西臨海公園という航路を取り(写真下)、東京ディズニーリゾートの前から旧江戸川に入った。当時の「通運丸は」ここから左右の岸に設けられた船着場に立ち寄りながら北上していったそうだが、私たちは途中、江戸川閘門(写真下の下)で水位を変えた江戸川をそのまま進み続ける。地図上ではかなり距離があるようにも思えるが、勝どきから松戸まで2時間ほどしかかからなかった。
松戸では、防災用の船着場(写真左下)を”非合法”利用。管理する松戸市には一応使用のお願いをしたのだが、「公共の目的以外での使用は認めない」というお決まりのお役所回答で却下。そこで、「雨も降っており、これ以上進めない」というこちらも自己勝手な理論で堂々と上陸する。
ここからも、本来ならばそのまま船で北上を続け関宿まで、もしくは流山近くから利根運河に入るべきなのだが、松戸より先は水位が低く、エンジンつきのボートでは座礁の危険が高い。ましてや現在の利根運河は、残念ながら航行できる状態に程遠い。松戸で車に乗り換え、利根川沿いの町、木下で1泊する。泊まったのは、古くから船宿として営業している「銚子屋」。こんな旅館が今でもあるんだ! という感じさえする古めかしい宿だが、舟運華やかし頃は、窓から見える利根川にも数多くのボートが浮いていたことだろう。
翌日は鉄道で佐原に移動後、小野川観光のボート(写真左上)に乗船。江戸時代の街並みがよく保存されている佐原の町は昨年菖蒲の時期に訪れているが、今回はそのときには乗らなかった小野川のボートで水の視点から町を眺めながら利根川まで航行。そして利根川からはチャーターしたボートで一路銚子を目指すが、その前に支流の黒部川に入り、水の街として栄えた小見川の街(写真左)で昼食。 小見川から銚子までは、高速モーターボートで一気に下る。先を急いだのには、利根川河口堰(写真右)にある閘門が夕方5時には閉まってしまうこともあるのだが、川の道を整備するにあたっては、こういった閘門のオープン時間なども再考する必要がありそうだ。
銚子では、漁港の岸壁(写真右下)を借りて下船。その銚子港にしても、漁船の利用しか基本的には考えられておらず、我々ものボートをつけられる場所はどこにもない。仕方なく、漁船専用の岸壁を短時間”非合法”に借りて下船するしかなかった。
2日間にわたる江戸川~利根川の船旅。今回実際に航行してみて、川の道の復活にはまだクリアしなければならない課題が数多いことを目のあたりにした私たちだが、その一方で、これだけの資源を活用すれば、船を使ったさまざまな活動の大きな可能性を秘めていることも実感したのであった。
さっそくご返事ありがとうございました。こちらこそ、よろしくお願いいたします。
ご同好の方に出会えるのは、嬉しい限りです。
私も高瀬舟や、通運丸の時代に憧れて、川走りを始めました。
また、私のブログに、以前書きましたが、私の艇(21ft)程度でしたら、夏の増水期に、三郷~流山IC付近まで遡行することができました。
交換用プロペラを用意すれば、もっと上流まで行くことができるのではないか‥と思っております。
コメントいただきありがとうございました。
私自身は日本ではボーターではなく、このクルーズも知人の調査に同行させていただいたものです。この知人が3月に先行調査したところでは、松戸より先は危険という判断でしたが、パドル様がおっしゃるように、水位やボートによってはもっと上まで行けるのかもしれません。
私自身は関宿までいって利根川に入る、そして願わくば利根運河を航行するのが夢、ですが(^◇^;)
いずれごいっしょできる機会がございますればうれしいですね。
写真で拝見した限りですが、ご友人の艇でも、松戸よりかなり上流まで特に危険なく航行できると思います。
ただし、ミオは増水のたびに変わりますので、スピードは落とすに越したことはないかと思います。
また、narrowboatさんの夢を壊すようで、大変恐縮ですが、利根運河は戦時中に、増水で破壊され、通航できる状態にありません。
現在では導水路としてのみ機能しています。
関宿閘門ですが、7月の第一日曜日のみ、イベントとして閘門開閉を行っているようです。それ以外は閘門を全開にして通水しており、通船できる状態にありません。
もっとも、私も偉そうなことを言えた義理ではなく、10年ほど前は「利根運河を通って銚子まで行くぞ!」と、何も知らずに息巻いていました。
この辺り、私のブログに書きましたので、お時間がありましたら、ご覧いただければ幸いです。
>いずれごいっしょできる機会がございますればうれしいですね。
機会がありましたら、ぜひお願いいたします。
私のブログの、リンク先の皆様のところも、ぜひご覧になってみてください。ご参考になると思います。
コメントいただきありがとうございました。
松戸より先に行けたかどうか? については、先行調査で棒を川に突き刺しながら確認しての判断だそうです。もっともこの日は松戸付近でかなり雨脚が強くなり、これ以上はご勘弁! とみんな思っていましたが(^◇^;)
利根運河の通行は、単なる夢です(;^_^A 数年前川岸を散歩したことがありますが、とてもじゃないけど・・・・・という感じですものね。
もっとも私が主張したいのは、利根運河のような貴重な遺産を現在のような姿にした政府やら行政やらがいかに無策無能であるかということでありまして。
関宿閘門の開閉・・・・・。見に行きたいところですが、3日はあいにく予定が入ってまして・・・・・残念っ!
ちなみにこのレポートをもう少し詳しくしたものが『KAZI』今月発売号に掲載されますので。
では、またよろしくお願いします。
たびたびお答えくださり、恐縮です。
>利根運河の通行は、単なる夢です
それは失礼いたしました。
いつかまた運河としての機能が復活して、航行できるようになることを願わずにはいられません。
政府の無策‥については、直接の原因が自然災害ということもあり、もともと運河の利用が衰微してからの出来事でしたので、同情すべき点は多々あるとは思うのですが‥。(生意気を申し上げてすみません。)
>『KAZI』今月発売号に掲載されますので
ぜひ購読したいと思います。楽しみにしております。
一つお伺いしたいのですが、数年前の『KAZI』または『ボート倶楽部』誌に、利根川から江戸川までボートの回航をした記事が掲載されたそうですが、ご存知でしょうか。
こちらも以前から読みたいと思っていますので、ご存知でしたら、ぜひご教示願いたいのですが。
こちらこそ、ちょっとエキサイト(まさに・・・・・(^◇^;)して書いてしまい失礼しました。いや、利根運河がすでに用済みのものであり、水運が経済的にはペイしないものであることはよく承知しているのですが、日本の名だたる産業遺産を使わずして放置している状態をなんとかできないものか?と歯がゆく思っている次第です。技術的なことはよく知りませんが、カヌーくらい通せる水量が確保できないものでしょうかねぇ?
KAZIの記事の件は、編集部に問い合せてみますね。
いいえ、こちらこそ失礼いたしました。
利根運河も、この10年でずいぶん整備され、記念物としては大切にされているようですが、おっしゃるとおり、通船できないのはなんとも惜しいですね。
>KAZIの記事の件は、編集部に問い合せてみますね。
お気遣いをいただき、恐縮です。お手空きの際で結構ですので、お教えいただければ幸いです。
非合法に上がるのは常套手段ですね。わたしはトイレに行かなくてはならないという理由を使います。(w
関宿閘門は開いているけど通れないんですか。まあ、うちのボートで通ってもラフティング状態だろうなと思っていますが。こればっかりは通ってみないとわかんないや。
ペラにこだわらなくてもジェットでも外輪?でも帆?でもいいのでは。
コメントいただきありがとうございました。
閘門は日本に各所にあるので、すべて通船可能になればいいですね。京都の三栖閘門みたいに飾りと化してしまっては意味がありませんから。
スリランカはお仕事ですか? どうぞおきをつけて!