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イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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貴族様のお持ち物

今日の東京新聞を読んでいたら、
「ブレア首相に疑惑;融資の見返りに一代貴族認定」
という記事が出ていました。

貴族とは「家系」に属するものですから、
貴族の家に生まれないと貴族にはなれない。
イギリスだけでなく、全世界同じでしょう。

でもイギリスには、
国家に貢献した人に対して
一代限りの貴族を認定する制度があるそうです。
有名なところでは、
ロッド・スチュアートやポール・マッカートニー
などのミュージシャンがいますよね。

今日のこの記事は、
金の力で貴族の地位を得たことに対する批判なのですが、
21世紀にもなって貴族なるものに価値があるという世界、
というか社会にも驚きです。

さて、イギリスの運河ですが、
運河の水面と側道(トゥパス)は
ブリティッシュ・ウォーターウェイズ(BW)が所有・管理しているのですが、
それ以外は私有地であることがほとんどです。
トゥパスは運河の片側にしかついていませんから、
その対岸は私有地です。

では誰がその土地を持っているのか?
牛や羊がいれば、その牧場主でありましょうが、
実は貴族も多いらしいのです。
実際、1700年代後半に運河がどんどん建設されていった時、
ネックになったのは土地の買収だと言われています。
つまり、
自分の土地に運河を通すのに難色を示した貴族が多かったということです。

現在でも、
トゥパス対岸の私有地に
ボートを勝手に横付けされることは認められていません。
ただの草っぱらだったりするので、
誰も見ていないような気もしますが・・・・・・。

シェイクスピアの生誕地として有名な
ストラトフォード・アポン・エイボン。
このエイボン川には、まだ航行できない部分が残っています。
具体的にはストラトフォードから上流なのですが、
通航可能になれば、
ウォーリックまでのルートがかなり短縮できます。

ところが、
「ボートが通ることなどまかりならん!」
と強固に反対している人がいるというのです。
それはなんと、
ウォーリック城の「城主」様。
観光スポットとして開放されているウォーリック城ですが、
まだ城主がいるんですね。

イギリスではこのように、
土地や家屋を所有してはいるものの
その維持費を捻出するために
一般公開している貴族がいるのです。
もっとも、
ウォーリック城の城主がそんな理由で公開しているのかどうか
知りませんが。

次は
「ボートの通航は認めよう。だが通航料として5ポンド」
などと言い出すかもしれませんね。
Commented at 2006-04-07 02:56
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by narrowboat | 2006-04-05 18:12 | 英国運河とナローボートの旅 | Comments(1)