イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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カテゴリ:運河の本、ビデオなど( 49 )

ナローボート・モデル

散発的には記事にしてきましたが、
私がこれまで集めてきたナローボートの模型、玩具をまとめて紹介していきます。

いずれも購入はイギリス(通販を含む)。
残念なことに、購入場所や時期は記録がほとんどありません。

「ロージーとジム」の浮かべるボート(27㎝)
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実際に水に浮かべることができるモデルは、私が知る限りこれだけ。
バーミンガムのナローボートに暮らす男の子と女の子の物語は、
絵本にもなっています。

我が家では、マブチモーターを船底に取り付けて、
お風呂の中で遊んだこともありました。
子供ができてからは、
彼らが本気で遊んでしまったので(笑)、
今はもうボロボロになってしまいました。

●ビッグスケールの木製モデル(56㎝)
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トレント&マージー運河からシロップシャー・ユニオン運河へ、
ホテルボートで旅している途中で見つけたものなので、
購入は2003年のはず。
ティラー、スロットル、ラダーなどの操縦系も再現。
実は、買ったときは塗装はされておらず、
旅に同行していたトールペイント作家のKさんに、
船上で絵を付けてもらったものです。

●青色の木製モデル(25㎝)
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現代のプレジャーボートとしてのナローボートをよく表現しています。
屋根の上のボートフックやプランクなど、小物も忠実に再現。
全幅に対して、高さがちょっとありすぎて、
バランスがいまいちです。

●緑色の木製モデル(31㎝)
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シンプルなモデル。
窓などは、塗装だけで表現しています。
全幅が大きすぎて「ナロー」とは言えないディメンジョンになっています。

●赤系の木製モデル(35㎝)
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ハイヤーボートっぽいデザイン。
屋根の上の排気口や煙突など、
ある程度のディテールもあります。
これも、高さがありすぎてバランスが悪いですね。

●モーター&バティ(モーター37㎝、バティ40㎝)
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カーゴボート時代のナローボートは、
2艘連結で運航されていたものもありました。
エンジンが付いているのは前のボート「モーター」だけで、
後ろの「バティ」をロープで引っ張っていたのです。
船上生活を営みながら運航していた家族は、
モーターを夫が、バティを妻が操船していました。

このモデルは、20世紀に入っても貨物船会社として活躍していたフェローズ、モートン&クレイトン(FMC)社のボート。
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バティの舵など、現物にかなり忠実で、
お気に入りの一つです。

●カーゴボート(42㎝)
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私のお気に入りの一つ。
カーゴボート(貨物船)時代のナローボートです。
カーゴデッキの幌は布製で、質感もばっちり。
ティラー、クリートといった小物や細部にもこだわっています。
これもFMC社のボートです。

●カーゴボート(10㎝)
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ここからは小さめのモデル。
まずはカーゴボート仕様。
小さいながら、ティラーや煙突も再現されています。
ディメンジョンは不正確ですが、
なかなか良くできていると思います。

●ハイヤーボート風(11㎝)
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ディメンジョンがかなり不正確で、
ナローボートっぽくないモデルですが、
ティラーはちゃんと付いています。
購入したのは、たしかマンチェスター。

●ミニボート(8.5㎝)
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かなり小さなモデル。
再現性も劣りますが、
前後にフェンダー代わりの浮き輪がちゃんと付いています。
屋根の上の張り出しは、ホッチキスの玉で再現。

●「きかんしゃトーマス」シリーズ(15㎝)
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「きかんしゃトーマス」のミニチュアモデル・シリーズの一つ。
トーマスにナローボートが出ていた?
話には登場しませんが、イラストには描かれています。
また、TVシリーズにも、どこかで登場していたはず。
船名として"Sodor Valley"と入っています。

これを購入して以来、
イギリスのどこでも見ないので、かなりレアな商品なんでしょう。

●【番外編】BWサービスカー
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運河を管理するブリティッシュ・ウォーターウェイズ(BW)の車のミニカー。
ロックの整備などに駆けつける車なんでしょうか?
子供が思いっきり遊んでしまったので、
車輪が壊れてしまっています。

●【番外編】鉄道と運河
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箱庭のようなジオラマ風のオーナメント。
制作している会社は、おもに鉄道のモデルを販売しているようですが、
運河が加わったということで、
運河雑誌に掲載されていましたものを、通販で購入しました。

ナローボートはモーター&バティで、
モーターを操る夫、バティの妻も、衣装とともに再現されています。
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by narrowboat | 2015-12-04 12:37 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
このほど丸善から出版された『イギリス文化事典』に、
「運河とグリーンツーリズム」というタイトルで、
イギリス運河の話題を2ページ寄稿させていただきました。
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総計1000ページにも及ぶ、まさに大事典。
運河以外にも、イギリスの様々なトピックスが満載です。

是非お手にとってご覧くださいませ!
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by narrowboat | 2014-12-09 09:25 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
メールマガジンのほうでも記事を書きましたが、
ナローボートの世界では古典的な名著、
トム・ロルト『ナローボート』L.T.C. Rolt"NARROW BOAT"を読み進めています。

オックスフォード運河Oxford CanalのバンベリーBanburyから、
愛船「クレッシー」Cressyで旅に出たロルト夫妻がたどったルートは、
2003年に私たち夫婦が旅した「レスターリング」Leicester Ringと重なっている部分も多く、
懐かしさもこみ上げてきます。
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脳裏にうっすらと残っている思い出だけでなく、
ピアゾンズの運河地図を見ながら読んでいると、
ロルトが旅した時代のパブがいまだに残っていたりして、
思い出とロルトの記述の重ねあわせを、さらに具体的なイメージにして、
私の頭の中に運河の風景を再構築していくのです。

ロルトは無類のパブ好きだったようで、
彼らが賞賛しているパブの中には、私たちが寄ったところもあります。

たとえばバロー・アポン・ソアーBarrow upon Soarの「ナビゲーション」Navigation
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十年たった今でも鮮明に覚えているカナルサイド・パブですが、
ロルトはここを「旅の中で最高のパブ」と記しています。
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ああ、なんだかエールビールがやたらに恋しくなってきました!
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by narrowboat | 2013-07-09 06:57 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
知人がDVD制作にかかわったイギリス映画『蜜の味』を鑑賞しました。

映画の制作は1961年。
今から50年以上も前です。

当時の労働者階級の鬱屈した人生観を描いたこれらの作品は、
「フリーシネマ」とか「ニューウェイブ」と呼ばれているそうです。

映画にはまったく詳しくないので、このあたりは別の方の評にお任せしますが、
『蜜の味』の舞台となったソルフォードSalfordは、
マンチェスター・シップ・カナルManchester Ship Canal (MSC) の起点/終点。
そして、主人公ジョーが恋に落ちる男性は、
MSCを行き来する貨物船の司厨長(コック)という設定です。

マンチェスターとリバプールを結ぶMSCは、
イギリスで唯一ともいえる現役の商用運河。
現在ではナローボート専用とも言えるそのほかの運河と違って、
水路幅もかなり広く、大型の船が通行できます。

もっとも近年はトラック輸送に押されて貨物の利用はあまりないようですが、
それでもちゃんと維持されているところが素晴らしい。

『蜜の味』でも、ジョーが毎日のように運河沿いを歩くシーン、
そして、1950~60年代にはまだまだ多くの貨物船が行き来していたことがわかる場面が出てきます。

現在は、MSCを往復する観光船が運航されていて、
私も何年か前にリバプールから乗りました。

後年、2010年に陸からソルフォードを再訪。
再開発が進んで、ジョーが住んでいた当時とはガラリと変わってしまっています。
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住宅街の中にもベイスン(船溜まり)が。
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MSCの名物といえば、バートン・スイング・アクアダクトBarton Swing Aquaductがあります。
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イギリス最古の運河でもあるブリッジウォーター運河Bridgewater CanalがMSCと交差するポイントで、
MSCを船が通るときには、水を湛えたまま橋が旋回します。
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マンチェスターからリバプールへ向かう観光船が通過していきました。
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運河の様子はもちろんのこと、
当時の若者たちの閉塞感がにじみ出ている『蜜の味』
ぜひ観てみてくださいね!
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by narrowboat | 2013-07-04 16:47 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
私たちが総力を挙げて制作したDVD

『Narrow Boat』

イギリス運河とナローボートの素晴らしさを詰め込んだ、貴重なオリジナル作品です。

完売しました!
みなさまのお買い上げに感謝いたします!

(2012年10月5日)

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   DVD『Narrow Boat イギリス水の旅』   
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●本編●(12分40秒)
ナローボートガイド(旧キャプテンプーク・カナルボート)が案内する、
ナローボートの魅力のすべて

●特典映像●(77分)
1.ロック
2.ブリッジ、トンネル
3.水道橋
4.ストラトフォード運河
5.エイボン川
6.ナローボートガイドおすすめの散歩コース
7.ボート内部
8.運河の聖地・スランゴスレン
9.ブリティッシュ・ウォーターウェイズ スタッフインタビュー
10.ハイヤーボート会社の説明
11.ハイヤーボートの点検・整備の仕方
12.スライドショー そのほか

☆サンプル画像☆


☆販売価格:2,000円(送料込み)☆
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by narrowboat | 2012-12-29 16:22 | 運河の本、ビデオなど
TBSで毎週日曜日に放映されている『THE 世界遺産』に、
ポントカサステ水路橋が特集されます!
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1805年、スコットランド生まれのエンジニア、
トーマス・テルフォードの設計により開通した水の橋。
地上38メートルの上空を船が通る風景は、見る者すべてを圧倒します。

このポントカサステが世界遺産に登録されたのが2009年。
日本でもいろいろなメディアで紹介されてきましたが、
今回は30分丸まる、この水路橋が特集されます。

実は私、今年の4月、この番組のディレクターIさんとお会いし、
ポントカサステについてのお話をさせていただきました。

Iさんのコメントはこちら!

つまり、この番組が完成したのは私のおかげ!
というのは真っ赤なウソですが(笑)、
エンディングロールには私の名前も出してくれるそうですので、要注目です!


さあ、そのディレクターにも観ていただいたDVD
『Narrowboat』。
ついに在庫が10個となりました!

通販サイトなどで「残り○個」などと書かれているのは、
購入をあおる手段であることが多く、実はいくらも残っているんですけど、
このDVDの在庫は掛け値なし!

プロモーション用に制作した自主制作版なので、
再プレスの予定もありません!

明日の番組放映後は、注文が殺到する(のか?)かもしれず、
どうぞ今のうちにご注文くださいませ!

注文方法はこちらです!
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by narrowboat | 2012-09-29 09:30 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
「進化論」で知られるチャールズ・ダーウィン。
彼の足跡をたどった本を読みました。

ダーウィンは非常に裕福な家庭の子供として生まれ、
家中にお金がうなるほど転がっていたようです。
その余裕で研究に没頭することができ、
最終的には進化論に達するわけなのですけど、
うらやましいといえばうらやましい限り。

ダーウィンは磁器王ウェッジウッド家とも親戚関係にもあり、
彼はウェッジウッド家の*を妻に迎えます。

ウェッジウッドといえば王室御用達で日本でも人気が高いですが、
18世紀当時は、原料や製品の運搬が悩みの種でした。
馬の背に載せて運ぶ量には限界があるし、
デコボコ道を行く馬車ではせっかくの磁器が割れてしまう。

そんなとき、当主ジョサイア・ウェッジウッドはブリッジウォーター運河の成功を耳にします。
この運河の主任技師、チャールズ・ブリンドリーに早速コンタクトした彼は、自身の磁器工場の裏手を通るように運河を敷設するのです。
これが現在のトレント&マージーTrent & Mersey運河となりました。
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こちらはそのトレント&マージー運河の一部。
2004年にホテルボートで旅しました。

運河の輸送力がウェッジウッドのビジネスをさらにパワーアップさせたことは疑いがありませんから、
ダーウィンの功績にも運河が一役買っていた、
と言えるかもしれません。
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by narrowboat | 2012-09-03 21:50 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
『警視の覚悟』、原題はWater Like a Stone

ナローボートや運河を舞台にしたミステリーでは、
『猟犬クラブ』『閘門の足跡』
をこのブログでもご紹介しました。

今回の本は、全編を通して運河とその周辺が舞台になっていて、
書き込まれた情景に何度も引き込まれてしまいました。

その舞台は「シュロッピー」ことシュロップシャー・ユニオン運河。
チェスターに程近く、スランゴスレン運河と分岐するハーレストン・ジャンクション。
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そしてミドルウィッチ・ブランチ(支線)との分岐点であるバーブリッジ・ジャンクション。
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この2ヶ所、私は両方通ったことがあって、
思わずピアソンズの地図を引っ張り出してしまいました。

ストーリーは、ロンドン市警の警部である主人公の妹が、運河沿いの牛舎の壁から、
生後まもない赤子の死体を発見するところから始まります。

捜査を担当するのは、主人公の幼馴染みの警察官。
彼もまた警部なのですが、
地元クルー署の所属で、
エリート(?)でもある主人公との明暗が対比されています。

捜査を進めていくうちに、また死体が!
しかも先の発見現場に程近い場所、
そして今度はトゥパスの上で。

殺されたのはいったい・・・・・?
この2つの事件の犯人は同一犯、
それとも・・・・・?

ミステリーなのでここまでにしておきますが、
注目すべきは、運河に関わる珠玉の文章の数々。


登場人物の一人の女性、アニーはナローボートで暮らしています。

いまでは自分とホライズン号は一心同体だ。ボートが手足の一部のように感じられる。
ボートにはボートの個性や気分があり、それらを感じ取ることもできる。
(中略)
舵棒は生き物のように敏感に反応し、
エンジンもまるまる太ったしあわせそうな猫のように軽快に音を立てている
(P.191)


ボートのどんなきしみも揺れも、よくわかっている。
ボートは自分の体の延長といってもいい。
だから、普段とは違う動きをすると不安になる。
(P.352)


ボートの操縦法はまったくといっていいほど知らなかった。
初めてロックを越えたときの混乱ぶりは、思いだすだけで身震いがする
(P.225)


「ホライズン号の長さは18メートル弱。
幅はどのボートもだいたい同じで、約2メートル。
昔のボートは長さが通常21メートルあったんだけど、
いまの運河網には、18メートルを超えると通過できないロックがあるの。
つまり、21メートルのボートだと行き先が制限されてしまうのね」
(P.248)




第二次世界大戦中、出征した男たちの代わりに女性が船頭に動員され、
「アイドル・ウィメン」と呼ばれていたのは私も知っていましたが、
その語源は初めて知りました。

「戦時中に、政府がナロウボートを操縦する女性を採用したの。
実際の彼女たちは決して怠惰じゃなかった
アイドル・ウィメンっていうあだ名は、
彼女たちが訓練を終えて内陸水運協会(IWA)からもらったバッジ、
”IWバッジ”から来ているの」
(P.254)




パブも登場しますが、
このBarbridge Innは実在のお店です。

ロンドンでは子どもたちとパブへ行くことはめったにないが、
この〈バーブリッジ・イン〉は田舎によくある料理も出す店だ。
レストランのコーナーでは子ども連れで食事ができて、
家族向けの雰囲気がある。
(中略)
バーブリッジという小村の運河沿いに面している。
(中略)
壁には運河にまつわる写真が並び、本棚もあって・・・・・
(後略)
(P.338)




昨今のウォーターフロント開発にも詳しいようです。
これはマンチェスターのことですね。

運河のなかでも街の中心部に近い部分は、
古い倉庫街が”ウォーターサイド・エリア”と呼ばれて不動産価値が上がっているという。
(P.478)




運河の叙情的な文章も素晴らしい。

運河が左に大きく曲がると、バーブリッジのボートや家々が背後に消えた。
それまでとはまったく違う、
秘密の世界に足を踏み入れたような気分になった。
湾曲した幅広い水路、
複雑な流れをみせながら視野から消えていく水、
黒い繊細な網目模様を描く裸の木々、
それを通してみえる灰色の空
(P.494)





オードレムの階段状のロック
(P.581)


というのは、ハーレストン・ジャンクションから南へ少し下がったところにある
Audlemの15フライトのことですね。


著者はアメリカ人で、イギリスに移住したとのことですが、
ここまで書き込めるのは、
本人がナローボートでクルーズした経験があるか、
もしかしたら本当にボート暮らしなのかもしれません。

いですねー、ナローボートに暮らしながら執筆生活なんて・・・・・。


エピローグは、ポントカサステ水路橋の通過シーンで締めくくられます。

「世界のてっぺんよ、アニー」
(P.674)

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by narrowboat | 2012-04-20 14:11 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
3月23日夜、NHKで『ロンドンオリンピックを百倍楽しもう』が放映されます。

ディレクター氏のお話によると、
ウェストミンスターからボートに乗船。
船の上に設置されたカメラからテムズ川下りを生中継で日本にオンエアするとか。

ライムハウスからリー・ナビゲーションに入った船は、
運河のロックをいくつも通って、
ロンドンオリンピックのメインスタジアムを目指します。

このコースの一部、昨年私は徒歩で見て回ってきました。
その時の様子はこちら!

放映時間は、BSと地上波交互と変則的です。
●3月23日
・BS1:後7:00~9:50
・総合:後10:00~11:20
・BS1:前0:00~1:50

タイマー録画される方は、どうぞお気をつけください!

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by narrowboat | 2012-03-23 00:05 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
川北稔『イギリス近代史講義』を読了しました。

某書店で見かけてぱらぱらとめくってみたところ、
産業革命関係がわかりやすく書かれているようだったので、早速購入した次第です。


イギリスの運河が産業革命時代に生まれたことは拙著においても紹介しています。
イギリス初の運河は、1761年、マンチェスターとウーズリーを結ぶブリッジウォーター運河でした。
ブリッジウォーター公爵がウーズリーに所有する炭鉱から、
工業地帯でもあるマンチェスターに石炭を搬出するため、
技師ジェームズ・ブリンドリーとの二人三脚で建設した水路がそれです。
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こちらは昨年ウーズリーで撮影したブリッジウォーター運河。

この運河は石炭の輸送価格を大幅に削減し、
大量輸送機関としての運河の威力はイギリス中に響き渡るのです。

そして訪れるのが「運河狂時代」、すなわち「カナルマニア」。
全国のいたるところで運河が計画され、
投機資金が集まるのです。

そこまでは私も何度も書いているのですが、
実際に金を出した「投機家」なり「投資家」は誰だったのでしょうか?

川北によると、それは地主ジェントルマンだといいます。

ジェントルマンとは、

膨大な不動産を所有して、その貸し賃で、上流の生活をする人(P.37)

であり、その人口は、イギリス全体の5%程度(同)だったということです。

ジェントルマンは決して自ら働きません。

自ら労働をして報酬を得れば、原則として、ジェントルマンの地位を失うとされていました(同)

その彼らがなぜ運河に投資したのかというと、
まず、言わずもがな、運河を作るには土地が必要で、
その土地を所有していたのがジェントルマンであったこと、
運河を作るには議会の承認が必要で、
議会のコネのあるジェントルマンの出番が求められたこと、
そして、運河のようなインフラへの投資に対するリターンは長期にわたるため、
一般のし企業経営者の興味は薄かったこと、
などを川北は挙げています。

当時、イギリスでは毛織物産業がすでに発達しており、
少なからず資本を蓄えた業者もいたようです。
が、インフラへの投資は、利益どころか、
投資した額を回収するのに相当な年月がかかります。
一企業家にとってはあまり旨味のない事業なのです。

しかしジェントルマンは違いました。

(なぜインフラに投資したかというと)、それは、経済的非合理主義的な発想、
言い換えればジェントルマン的な発想から出ています。
一円の保護者としてのメンツ、箔とでも言うのでしょうか、
となりの領地までは立派な道路がついているのに、
自分の領地にないのは格好が悪い。(P.184)


実際には、ジェントルマン的発想で、
経済的な損得を中心に考えなかった人たちがいて、
しかもその人たちは大金を持っていた。
そういう条件があったのではないかと思っています。(P.185)


運河ならずとも道路、鉄道などのインフラは、
中央政府や地方自治体などの「公」がその建設主体であることがほとんどです。
日本は、鉄道こそ民営も多いですが、
民間が作った道路というのはあまり聞いたことがない。
逆に、政府が作ってその後民営化されたというのが現代のあり方です。

しかしイギリスでは、運河も鉄道も、まず民間が作りました。
その「民間」というのが、すなわちジェントルマンであったというわけです。


産業革命において運河建設にジェントルマンが果たした役割も勉強になりましたが、
もっと興味深かったのは、成長パラノイアという概念です。

今回の大地震で思い知らされたこと
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by narrowboat | 2011-03-19 21:50 | 運河の本、ビデオなど | Comments(4)