イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

<   2005年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

『川を知る事典』
鈴木理生
日本実業出版社
1600円+税

c0027849_18141050.jpg

 鈴木氏といえば『江戸の川・東京の川』(井上書院)という名著中の名著がある。さらに、氏の集大成ともいうべき『江戸・東京の川の水辺の事典』(柏書房)も忘れるわけにはいけない12000円+税という高価なものなのだが、書店で見たとたん「これは買わねば!」と衝動買いに近いお買い上げをしてしまった私である。

 さてこの『川を知る事典』であるが、水の流れである「カワ」とその入れ物である「ガワ」という独自の視点で日本と外国の川について分析を試みている。「カワ」を否定して「ガワ」のみを強調し続けた日本の河川行政の歴史などは、今の日本の川を理解するのに非常に興味深いのだが、ここではいつものようにイギリスの運河についての記述に注目しよう。

 本書でイギリスの水路について触れているのはわずか2ページ。だが、ちょっと誤解を招くような表現、記述になっている。特に問題なのは、掲載された水路図で、イングランドの運河はグランドユニオン、トレント&マージー、ケネット&エイボンの3本のみしか描かれていない。スコットランドはユニオンとカレドニアンの2本で、これはほぼ正解なのだが、イングランドに関しては、この3本にテムズ川があるだけである。
 これにはちゃんと理由があって、氏はその前の項で「小規模な運河は省略してある」と断っている。それもそのはずで、「前の項」とはヨーロッパ大陸の水路の解説になっているのだ。ライン川やドナウ川、それらに接続する運河に比べれば、イギリスの水路など、どれも「小規模」と切って捨てられても仕方がないのかもしれない。
 しかし、そういうのであれば、ヨーロッパ大陸の水路に匹敵するのはテムズ川とカレドニアン運河くらいなものだと思うのだが。その一方で、現在も商用に使われているマンチェスター・シップカナルが抜けている。
 そして、
「イギリスのグレートブリテン島にはほんの数本の水路しか残っていない」
 と結ばれている。

 ちょっとさすがにこれはないなぁ。

 それも、どこぞの無名の人が書いたものではなく、かの鈴木氏の著作なのである。大きな誤解を与えてしまいそうで怖い。 
 せっかく
「小型ヨットで1週間ほどのクルーズを楽しんで、自身でロックを開閉する旅を一度やったらやめられなくなる」(P.272)
 とあるのだから、鈴木氏にもイギリスでぜひナローボートを体験していただきたいものだ。
[PR]
by narrowboat | 2005-07-14 18:14 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)

地図を買う

 前回はルート作りについて説明しましたが、ルーティングも含めて、運河の旅には地図が必携です。
 イギリスの運河地図は、3つの出版元からそれぞれシリーズが出ています。
・ピアソンズJ.M.Pearson&Son
・ニコルソンNicholson
・ジオGEO
 これらは各々、いくつかのエリアに何冊かに分けられています。エリアの分け方はシリーズによってまちまちです。

 この3つのシリーズの中でどれがおすすめか? というのであれば、迷わずピアソンズを選んでください。その理由は、ウォーターポイントやパブなどの凡例がいちばんわかりやすく、また運河を細切れに(つまり短い距離)1ページずつ掲載しているので、自分が今どこにいるか、あとどのくらいで目的地に到着するのか? などがすぐにわかるからです。

 2番目のニコルソンですが、こちらは元地図を有名なオードナンス・サーベイから引っ張ってきていることもあり、運河だけでなく、沿線の町や道路、鉄道なども細かく記載されています。ただ、ボーターが必要な諸施設の凡例が青一色で判別しづらいこと、距離がマイルごとにポイントされているだけなので、目的地までの距離感をすぐに把握できないことが難点です。

 最後のジオですが、上の2つが冊子形式になっている「本」なのに対し、これだけは1枚モノの地図になっています。私は以前、ケネット&エイボン運河のクルーズで、これしか入手できなかったときに1回だけ購入しましたが、なにせ広げると新聞紙のような大きさになってしまうので、クルーズしながら扱うのには不便を感じました。

 これらの地図は、現地で購入できます。利用するハイヤーカンパニーのオフィスで売っているはずですが、ハイヤーボートを予約するときにハイヤーカンパニーからの申込書で日本まで送ってもらうこともできます。

 このような航行用の「ナビゲーションチャート」以外に、イギリスの運河ネットワークすべてを記載した1枚モノの地図もあります。これ自体はクルーズに利用しませんが、持っているだけで次の旅の計画をしたくなりますね。

 下の図は、上がピアソンズの「ケネット&エイボン、ミドルテムズ」、下がニコルソンの「ロンドン、グランドユニオン、オックスフォード&リー」からです。
c0027849_20584192.jpg
c0027849_20585726.jpg

[PR]
by narrowboat | 2005-07-12 20:47 | ナローボートの旅マニュアル | Comments(0)

千住小橋

c0027849_16283526.jpg 自宅のある千住には、隅田川にかかる千住大橋という有名な橋があります。
 お江戸日本橋からこの橋を越えるとそこはもう日光街道。松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのがここです。また川越と江戸を結んでいた「川越夜船」の終着でもあり、船好きにとっても興味そそられる場所です。

 この千住大橋の下に近頃「千住小橋」という小さな橋がかけられました。それを中心に、小さなお散歩プロムナードもできています。

c0027849_1629417.jpg

c0027849_1629513.jpg
 また橋の荒川区側には、根の神様を祭ったスサノオ神社もあります。「大祓」の時には船を出してお祓いをするみたいですね。
[PR]
by narrowboat | 2005-07-04 16:31 | 日本の運河と川 | Comments(0)

デイリープラン

c0027849_1724558.jpg ナローボートの1日、といってもそれは人ぞれぞれ。どう過ごすかは百人百様です。夏であれば朝6:00に出航して22:00頃までクルーズを楽しむのもよし、航行は2~3時間にして、あとはデッキでワインやビールを飲みながら過ごすのもよいでしょう。

 そう言ってしまっては元も子もありません。そこで1日5~6時間程度クルーズすることを前提に、1日の計画を考えてみました。

●時速3マイル
 ナローボートの時速は3マイル、約3.8kmです。これに単純に5や6をかければ、15~18マイル(25~29km)という1日の航行可能距離が出てきます。
●ロックの数×1マイルを引く
 上の数字からロックに要する時間を差し引きます。シングルロックなど時間がかかりそうなロックもあるのですが、標準的には20分、すなわち1ロックにつき1マイル分をマイナスします。
●給水も必要です
 ナローボートでは1日1回の給水が基本。1回につき0.5マイル分、30分は見込んでおきます。食事するポイントにあれば、食事時間としてカウントしても構いません。ちなみに上の写真にあるパブには給水ポイントもあり、食事をしている間に給水できました。
●ランチタイム
 特に急いでいなければ、お昼くらいはちゃんと係留して取りたいものです。パブにしても自炊にしても、3マイル分、1時間はほしいですね。

 ここで計算します。
 6時間クルーズの可能総距離:18マイル
 ロック4つと仮定して:-4マイル
 給水:-0.5マイル
 昼食:-3マイル
 計:10.5マイル(約17km)

 こう計算してみると、ナローボートがいかにスローな乗物か、改めてわかりますよね。
[PR]
by narrowboat | 2005-07-01 17:25 | ナローボートの旅マニュアル | Comments(0)