イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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富山 富岩運河クルーズ

北陸の自転車事情を取材に行った折、
富岩運河のクルーズに乗ってみました。

富山の中心部と「岩瀬浜」と呼ばれる富山港一帯を結んでいるこの運河の沿線には、
かつては紡績工場などがあって、
原料や製品の運搬に利用されていたようです。

完成は1935年ですが、
輸送がトラックに移行してからは埋め立て計画も持ち上がりましたが、
1975年頃、産業遺産として活用することになった、
とパンフレットにはあります。

出航する環水公園までは、富山駅前で借りた「アヴィレ」で行きます。

水辺へのプロムナード。
連休中だというのに人が全然いません(笑)
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大きな橋がかかっていて、上部にはエレベーターでも登ることができます。
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橋の上からの眺望。
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船の運航は2種類あり、
ひとつは途中の中島閘門(ロック)まで行って、
ロックの操作室を見学した後、ロックを通過。
Uターンして再びロックを通り、環水公園に戻るもの。

もうひとつは、ロックをそのまま通過して、
岩瀬浜にある「カナル会館」までの一方通行。

私が選んだのは後者でしたが、
その前に前者の船もみじが出航して行きます。

こちらは、東京都心部でクルーズをやっている団体の船と同じですね。
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たしか、富岩運河でクルーズを始めるのに際して、
その団体が船の導入にいろいろアドバイスしたはずです。

対して私が乗る船はもっと大型のSora。
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太陽光発電も利用しているとのことです。

出航します。

中島閘門まで5つの橋を通過。
「水道橋」「永代橋」といった、どこかで聞いたような名前の橋もありました。

さあ、中島閘門に到着。
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ロックショウLock Showのはじまりです。

岩瀬浜方面へはダウンヒルになります。

船に同乗してくれているガイドの方、
親切な人ではあるんですが、少々うるさい(笑)

ロックを降りきって、先に進みます。

途中、右側に支線の跡が見えますが、
これは「住友運河」。
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住友関係の工場がこの先にあったのでしょうね。

富山湾に出る直前、橋脚だけが残されています。
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その間を通過。

2階、3階にも扉がある倉庫。
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かつての運河の賑わいを想起させます。

この先を右折して、岩瀬運河へ。
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カナル会館前の桟橋に到着します。


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桟橋にずらりと並んでいた船は遊漁船っぽかったですね。
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こちらカナル会館。
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お土産物店や飲食店が入ってはいるのですが、
閑散としていました。
飲食店は2軒入っているのですが、
なんと1軒はお休み。
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たしかに月曜休業ですけど、連休中ですよ。

岩瀬運河はさらに先に続いているようだったので、
あとで自転車で行ってみました。
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こちらも小型の遊漁船(?)が多かったですね。

自転車でまわった記事はこちらのブログでどうぞ!
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by narrowboat | 2013-07-21 16:49 | 日本の運河と川 | Comments(0)
メールマガジンのほうでも記事を書きましたが、
ナローボートの世界では古典的な名著、
トム・ロルト『ナローボート』L.T.C. Rolt"NARROW BOAT"を読み進めています。

オックスフォード運河Oxford CanalのバンベリーBanburyから、
愛船「クレッシー」Cressyで旅に出たロルト夫妻がたどったルートは、
2003年に私たち夫婦が旅した「レスターリング」Leicester Ringと重なっている部分も多く、
懐かしさもこみ上げてきます。
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脳裏にうっすらと残っている思い出だけでなく、
ピアゾンズの運河地図を見ながら読んでいると、
ロルトが旅した時代のパブがいまだに残っていたりして、
思い出とロルトの記述の重ねあわせを、さらに具体的なイメージにして、
私の頭の中に運河の風景を再構築していくのです。

ロルトは無類のパブ好きだったようで、
彼らが賞賛しているパブの中には、私たちが寄ったところもあります。

たとえばバロー・アポン・ソアーBarrow upon Soarの「ナビゲーション」Navigation
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十年たった今でも鮮明に覚えているカナルサイド・パブですが、
ロルトはここを「旅の中で最高のパブ」と記しています。
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ああ、なんだかエールビールがやたらに恋しくなってきました!
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by narrowboat | 2013-07-09 06:57 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)
知人がDVD制作にかかわったイギリス映画『蜜の味』を鑑賞しました。

映画の制作は1961年。
今から50年以上も前です。

当時の労働者階級の鬱屈した人生観を描いたこれらの作品は、
「フリーシネマ」とか「ニューウェイブ」と呼ばれているそうです。

映画にはまったく詳しくないので、このあたりは別の方の評にお任せしますが、
『蜜の味』の舞台となったソルフォードSalfordは、
マンチェスター・シップ・カナルManchester Ship Canal (MSC) の起点/終点。
そして、主人公ジョーが恋に落ちる男性は、
MSCを行き来する貨物船の司厨長(コック)という設定です。

マンチェスターとリバプールを結ぶMSCは、
イギリスで唯一ともいえる現役の商用運河。
現在ではナローボート専用とも言えるそのほかの運河と違って、
水路幅もかなり広く、大型の船が通行できます。

もっとも近年はトラック輸送に押されて貨物の利用はあまりないようですが、
それでもちゃんと維持されているところが素晴らしい。

『蜜の味』でも、ジョーが毎日のように運河沿いを歩くシーン、
そして、1950~60年代にはまだまだ多くの貨物船が行き来していたことがわかる場面が出てきます。

現在は、MSCを往復する観光船が運航されていて、
私も何年か前にリバプールから乗りました。

後年、2010年に陸からソルフォードを再訪。
再開発が進んで、ジョーが住んでいた当時とはガラリと変わってしまっています。
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住宅街の中にもベイスン(船溜まり)が。
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MSCの名物といえば、バートン・スイング・アクアダクトBarton Swing Aquaductがあります。
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イギリス最古の運河でもあるブリッジウォーター運河Bridgewater CanalがMSCと交差するポイントで、
MSCを船が通るときには、水を湛えたまま橋が旋回します。
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マンチェスターからリバプールへ向かう観光船が通過していきました。
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運河の様子はもちろんのこと、
当時の若者たちの閉塞感がにじみ出ている『蜜の味』
ぜひ観てみてくださいね!
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by narrowboat | 2013-07-04 16:47 | 運河の本、ビデオなど | Comments(0)