イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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実はアイルランド生まれだったタイタニック

仕事の関係で「タイタニック」について調べていました。

イギリスが誇る豪華客船であり、
あの大ヒット映画についてここで改めて述べる話でもないですが、
この船が建造されたのは、ブリテン島ではなく、
北アイルランドのベルファストだということはあまり知られていません。

映画の中で出てきた模型(CG?)には、
船尾に「リバプール」という文字が描かれていたので、
私はてっきりリバプールで建造されたものだと勘違いしていました。

ネットで調べた情報によれば、
「タイタニック」は1911年に進水、
ベルファストからブリテン島のサザンプトンにフェリーされます。

そして1912年4月10日、処女航海に出航。
まずフランスのシェルブールに寄港し、次に寄ったのがアイルランド南部のコーブCobhという町。
「タイタニック」の乗客が陸地を見たのは、それが最後となりました。

レオナルド・デカプリオ演じる青年ジャックが「タイタニック」のに乗り込み、
船底の3等船室でほかの乗客たちと踊りまくるシーンは印象的ですが、
ジャックをはじめとした彼らこそ、
故郷の貧困に耐えられず、
新天地アメリカに一途の希望を見出そうと乗船したアイルランド人たちでした。
そう、ちょっと知っている方なら、
あのシーンで演じられているのが、
いわゆる「アイリッシュ・ミュージュック」であることがすぐにわかったはずです。

「タイタニック」に乗った彼らの多くは、
その希望の端に手をかけることもなく、
大西洋の藻屑となる運命が待っていました。
しかしアイルランドからアメリカには大量の移民が渡っています。
第35代アメリカ大統領J.F.ケネディがそのアイルランド移民の子孫であることは有名ですが、
たとえばニューヨークにはコーナーごとにアイリッシュ・パブがあり、
本国以上に盛大だと言われる「セント・パトリックスの日」にも、
アメリカにおけるアイリッシュ・パワーを見ることができるでしょう。
アメリカだけでなく、アイルランド移民は世界中に散らばっており、
その血を受け次ぐ数は本国の人口の数倍とか、数十倍とか言われています。

さて、その「タイタニック」。
来年2012年は就航100周年に当たります。
もちろん、それは沈没100周年ということでもあるのですが。

アイルランドではこれを記念して、
「タイタニックの故郷」を大きく打ち出し、
観光客の誘致に力を入れるそうです。

ちなみに映画『タイタニック』のほうも、
今年中にはいま流行の3D版が公開されるという噂です。

あのブームがまたやってくれば、
ナローボートの舳先で手を広げる人が増えるかもしれませんね。
くれぐれも大西洋、ではなく運河の底に消えないよう、お気をつけて。
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Commented by Saori at 2011-01-19 18:07 x
今年6年ぶりにアイルランドに行くかも、、、と言う話が出てるので、今丁度司馬遼太郎先生の「愛蘭土紀行」を読んでるところなのですが、アイルランドとアメリカの関係にも丁度触れられていて、narrowboatさんが書かれているようなお話も載っていました。
偶然にびっくりです^^
タイタニック、来年で100周年なのですねえ、、、
アンティーク番組を見てると、時々タイタニックにまつわる商品が出てきてすごい値段で売買されていて驚きます。
今でも人々にとってタイタニックって特別な存在なのですね。
Commented by narrowboat at 2011-01-21 05:39
>Saoriさん

そうそう、ロンドンのアイリッシュ・コミュニティも相当大きくて深そうでしたものね(^^;

NYのアイリッシュ事情については、私も本の聞きかじりです。
オーストラリアも多いそうですね。

昨年リバプールの海洋博物館を訪れたときも、
タイタニックの展示の前だけやたら混雑していましたw
by narrowboat | 2011-01-18 21:40 | 雑感 | Comments(2)