家族ナローボート旅行報告 ~バーミンガム周辺の運河~
2011年 09月 02日
マンチェスター、リーズ、バーミンガムなど、かつて運河を物輸に利用していた大都市では、
水辺を軸にした再開発が進み、新しい商業施設や住居などに姿を変えています。
ただ、中心部を一歩外れると、まだ開発の手がつけられていない、
さびれた産業地区の跡地のような場所になってしまいます。
バーミンガムの中心部、ブリンドリー・プレイスからメインラインを西へ向かって進みます。
メインラインからは、無数の引込み線や「ループ」と呼ばれる支線が交錯しており、
毛細血管のような水路ネットワークを実感できます。
ここは、かつて橋が架かっていたのでしょうね。
行く手の右手にループへの入口が見えます。
水路の真ん中に出現する小島はトールハウス(料金所)の跡。
料金所の係員は専用の物差しを使い、
ボートがどれだけ喫水線より沈んでいるかで通行料を課金していたそうです。
鉄製の橋は、19世紀に製作されたものが多いようです。
石の橋の上に高速道路。
東京や大阪にもこんなところがありますよね。
かつて引込み線やループがあったジャンクションの中には、
すでに使用されなくなって久しいところも少なくありません。
このあたりから水路はニュー・メインラインとオールド・メインラインに分岐。
その名のごとく新旧2つの水路が並行しています。
バーミンガムは、それだけボートの数が多かったことを示しています。
私たちの船は、これら2つの水路を結ぶゴワー・ブランチGower Branchに入り、
ブレイズ・ロックBrades Lockを通過。
こういった都市部のロックには、いたずらを防止するために、カギがかかっています。
このT字型の金具はボーターが持っていて、これがないと開閉できない仕組。
元々この金具の名前は、アンチバンダル・キーAnti- Vandal Key、
すなわち破壊防止用キーと呼んでいたそうです。
ところがバンダリスト(破壊者?)から
「その呼称は差別的だ!」
と抗議を受け、近年ではウォーター・コンサベーション・キーWater Conservation Key、
水保護のためのカギ、と言うそうです。
バンダリストにも一分の魂?
破壊はするけれど、ロックまでは壊さない!
というのでしょうか(笑)
ティプトンTiptonのジャンクションに到着しました。