2003年 夫婦2人のラスト・クルーズ (4)
2011年 11月 30日
ダラダラとした曲線が続く区間を17マイルほど進みます。
そして、到着したのがフォクストンFoxton。
現在航行しているのは、
ロンドンとバーミンガムを結ぶグランドユニオン運河Grand Union Canalの「支線」的な存在、
レスター・セクションLeicester Sectionなんですが、
ここは本線と違ってナロー・カナル。
その区間の中で、最もクライマックス的なのがこのフォクストン。
先ほどのワットフォード・ロックと同じようなナロー・ロックのステアケースがあるのですが、
1セットに5つロックがあり、それが2セット。
こういう組み合わせのロックは、おそらくここにしかないと思います。
私たちのように運河を北へ向かう人は、
このロックを下っていくことになるのですが、
頂上には小さな資料館があって、
待ち時間に観に行くことができます。
いよいよロックに入っていきます。
急な階段を下る感じ。
ナロー・ロックのステアケースなので、
やはりロックキーパーが交通整理とロックワークのサポートを行います。
私たちのボートがすっぽり収まりました。
右側に見える池は、ロックに水を供給するリザボア(貯水池)。
その向こうにある茶色い建物は、
フォックストンのロックの歴史などを展示する博物館です。
1セット5段降りると、
池のように広くなった場所があって、
ここで昇りのボートと交換します。
ロックキーパーの方が雑談中。
1セット目はカミさんがティラーを握り、私がロックワークしましたが、2セット目は交代。
私が操縦しながらの撮影です。
アフト(後部)はシル(段)に気をつけながら、
あまりゲートに近寄らないようスロットルを調整。
排水が終わると、ゲートを出て行きます。
すぐに次のロックへ。
最後のロックは橋の下。
これでようやく終わりです!
ロックを折りきった所にはムーアリング(係留所)やパブなどがあり、
ボーター以外の人も遊びに来るピクニック・エリアみたいになっています。
トリップボートもありましたね。
その先にあった橋は、
かつて馬がボートを牽引していた時代の名残を残していて、
馬が上りやすいようにスロープになっています。
この橋の名前がレインボー・ブリッジと奮ってました(笑)。
10個のロックを通過してエキサイトしたせいもあり、
まだ日の高い時間でありながら、ここで停泊することにしました。
運河のすぐ脇には麦畑が広がっていました。
牛たちが放牧されています。
フォクストンの村。
地図によれば、パブや食料品店もあるそうです。
実はフォクストンロックのボトム部分は支線へのジャンクションになっていて、
支線は、鉄道駅もあるマーケット・ハーバラMarket Harboroughという比較的大きな町まで通じています。
運河はこの町中で袋小路になっているので、
利用者はあまりいないようです。
この支線沿いを歩いていると、
スイングブリッジがありました。
デイハイヤーっぽいボートがちょうど通過していきます。
記憶によれば、夕食は船内で自炊し、
夜はブリッジ61Bridge61というパブへ飲みに行ったような。
たしか私1人で行ったはずです。
翌朝、再びパブ周辺を散策。
スリップウェイも客席になっていますが、
斜めに座って不安定なんじゃないですかね?(笑)
フォクストンのもうひとつの見どころが、インクラインInclineの跡。
インクラインというのは、
水を張った大きな箱にボートを浮かせたまま上下に移動させる装置のことです。
ボートを垂直に上下させるエレベーター式のボートリフトBoat Liftは、
アンダートンとファルカークにありますが、
こちらインクラインは斜めに船を運搬するエスカレーター式。
残念ながら、現在は廃棄されたままの状態です。
ヨーロッパ大陸の運河には、まだ稼働中のインクラインがあるそうです。
こちらのトラストが修復に向けて活動しているようです。
私が生きているうちにリオープンしてくれればいいな!