イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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家族でポントカサステへ④ Crusing on the Llangollen Canal ~1日目 トレバーからスランゴスレンへ~

ナローボート・クルーズの初日は8月4日。

前泊していたチェスター駅からルアボンRuabonという駅まで鉄道で向かいます。
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ルアボンは小さな無人ローカル駅なんですが、
ポントカサステ水路橋が世界遺産に登録されたことで、
そのゲートウェイになっています。
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ここからタクシーでトレバーTrevorへ。
料金は6ポンドでした。

ナローボートのハイヤーカンパニー(レンタルボート会社)のベースは鉄道駅から離れていることが多く、
その間はタクシーに頼らざるを得ません。
かといって、このルアボンのごとく、駅前でタクシーが待っているなんてこともないので、
事前に手配し得おく必要があります。

タクシー会社は、ハイヤーカンパニーで紹介してくれるはずですので、
ブロシャーやメールなどで電話番号を確認しておきましょう。
公衆電話もない駅も多い(ルアボンもそう)ので、
自分の携帯電話がイギリスで利用できるかどうか、
そして利用の方法も事前にチェックしておいたほうがよいです。

10分ほどでトレバーのベイスンに到着。
ハイヤーカンパニー、アングロウェルシュ社Anglowelshの事務所でチェックインします。
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ハイヤーカンパニーを利用する場合、
インストラクション(ボートの操作方法などの説明)が始まるのは15:00、
というところが多いようですが、
私たちは、鉄道の時刻もあって、14:00にはチェックイン。
早くチェックインすることは問題ありませんが、
インストラクションまでは時間をつぶさなくてはなりません。

夏休み中とあって、トレバー・ベイスンも華やかな雰囲気。
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世界遺産ポントカサステのお膝元とあって、観光客も多いですね。

私たちが借りるボートは、下の写真の左から2艘目のドリフターDrifter号。
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全長55フィート(約35メートル)。
ハイヤーボートとしては標準的な長さです。

キャビン内を見ていきましょう。
バウ(船首)から、ダイネッティ。
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ダイネッティとは、昼間はダイニング(兼リビング)で、夜はベッドにもなるもの。

テーブルはソファの下に収納されていて、
支柱を立てて、その上に刺します。
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セットするとこんな感じ。
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テレビもあります。
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いまやナローボートのテレビも薄型ディスプレイ。
時代も変わりました。

テレビの裏には240vの電源コンセント。
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ナローボートのキャビンの電源は、かつては12v、
車のシガーソケットと同じでした。
イギリスの家庭電圧と同じ240vを供給するには、
「インバーター(変圧器)」を搭載しなければならず、
インバーターのあるボートは少なかったのです。

ところが最近は、カメラやスマホなど、
電源が必須な機器が増えてきましたので、
240vもマストになっているようです。

キッチンのストーブ部分。
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ガスレンジ4口に、
オーブンとレンジ。

コーヒー&紅茶のセット。
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キッチンのシンク側。
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洗剤類は提供されています。
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グラスホルダー。
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このほか、皿類、カトラリー(ナイフ、フォーク、スプーンなど)、鍋、フライパンなどのキッチン用品はすべて備え付け。
買わなくてはならないのは、食料だけです。

キッチンの後ろはシャワー&トイレ。
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次がダブルベッド。
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その後ろが2つ目のトイレ。
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そして最後尾がシングルベッド2つ。
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この部分は、希望により、ダブルベッドにすることも可能です。

このボートは、固定ベッド4人分にダイネッティ2人分なので、
「4/6」という数字で示されます。
デッキプランはこちら。
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そうこうしているうちに、
アングロウェルシュのスタッフ、リーさんがやって来て、
インストラクションが開始されます。c0027849_20584337.jpg














インストラクションは、バウ側から。
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バウには、ガスロッカー(プロパンガス・ボンベの収納庫)のほか、
給水用ホース、ウィンドラス(ロック操作用の器具)などが収納されています。

スターン(船尾)で、スロットルとテイラー(舵棒)の説明。
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インストラクションは、当然、英語で行われます。

スタッフは、外国人客に慣れているので、
わかりやすく、ゆっくりと説明してくれるはず。
大切なのは、わからないことをそのままにしないこと。
聞き取れなかったことは、何回でも聞き直しましょう。
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最後に、「説明を理解しました」とサインします。
あいまいな部分をそのままにしてサインしてしまうと、
事故などがあった時に問題になります。
あくまで「自己責任」の世界であることを肝に銘じましょう。

サインが済めばいよいよ出航ですが、
その前に、今回のクルーズ地図と旅程を紹介しておきます。
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[1日目:8月4日(金)]Trevor→Llangollen
[2日目:8月5日(土)]Llangollen→Trevor
[3日目:8月6日(日)]Trevor→Ellesmere
[4日目:8月7日(月)]Ellesmere→Whitchurch
[5日目:8月8日(火)]Whitchurch→Ellesmere
[6日目:8月9日(水)]Ellesmere→Chirk Bank
[7日目:8月10日(木)]Chirk Bank→Trevor

毎日の移動区間は、出航時にすべて決めてあったものではなく、
途中で随時修正し、結果的にこうなりました。

また、ボートは7泊8日で借りていたのですが、
休みの日程などで、1日前に返却しています。
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初日は、トレバーからスランゴスレンLlangollenに向かいます。
最初は、スタッフが見本として操船してくれますが、
しばらくすると、降りてしまいます。
緊張の瞬間!
あとは私たちだけで、この船を操らなくてはなりません。

長男は、早速ティラーの手ほどきを妻から受けます。
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向こうからは、プラスチック・クルーザーがやって来ました。
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スランゴスレン運河のトレバー~スランゴスレン間には、
ただでさえ狭いナローボートが1艘しか通れない、狭幅区間が何か所かあります。
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当然ここは一方通行になりますので、
対向するボートが来た時のために、このような退避場所が設けられています。
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トランシーバーを持参して、バウ、
またはトゥパスを歩いてもらい、
進行方向に対向船がいないかどうか、確認してもらうと便利です。
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水面が見えなと、進んでいく物体がボートなのか、ほかの乗物なのか、よくわかりません。
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運河を利用しているのはナローボートだけではありません。
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向こうからカヌーがやってきました。
動力船に対して、非動力船に優先権があるのがイギリス運河のルールですので、
すれ違うカヌーを揺らさないよう、注意して進行します。
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自分たちのボートにトランシーバーで指示を出す次男。
本来はお互いに右側通行が原則ですが、
カヌーが左側で待機したため、
そのまま左側通行ですれ違います。

次男とトゥパスを歩いていたら、ハンディクラフトを売るボートを見かけました。
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運河の絵も、オーナーが自分で描いて売っているようです。
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リフト・ブリッジNo. 44wを通過。
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「44wは下がっているのを見たことがない」
と、アングロウェルシュのリーさんが言っていました。
私も20年間で数回ここを通っていますが、
常に開いたままです。

スランゴスレンに近づくと、また狭幅区間が現れます。
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ここには待避場所がなく、対抗船が来たらどうするのか?
といつも思います。
どちらかがバックするしかありませんね。

この白い家が見えてきたら、間もなく到着です。
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運河と一体になった風景を作り出す、
このあたりにはなくてはならない家屋ですが、
売りに出されていました。
いったいいくらするんでしょうか?

このあたりは、スランゴスレン運河でも大好きな場所。


昔の運河船を再現した馬曳きボートや、
ポントカサステとの間を往復するトリップボート、
「アクアダクト・クルーズ」が発着するスランゴスレン・ワーフを通過。
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ティラーを握っていた長男は、これらの船にぶつけてしまい、
「Sorry!」を連発していました(笑)

本日の目的地、スランゴスレンのカナル・ベイスンに到着。
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クルーズ初日が無事終わりました。

この時点で18:30くらい。
まだまだ明るい夏のイギリスです。

これから、スランゴスレンの街へ食事に出かけます。




ボートを下りて、スランゴスレンの街へ。
ここが中心部の橋。
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ディー川の風景が、この町の魅力です。
まずは、明日から食材を購入すべく、Co-opスーパーへ。
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キッチンが完備されているとはいえ、
基本的にすべて外食、と決め込むことも不可能ではないナローボート旅行ですが、
朝食だけは自炊しなくてはなりませんので、
パン、シリアル、ベーコン、牛乳など、朝食用の食材を中心に調達しました。

参考までに、スランゴスレンの街にはほかに、
遅くまで開いていて便利なコンビニ系のSPA。
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10年前にはなかった(はず)のNISA、
計3つのスーパーがあります。
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夕食はスランゴスレンのレストラン、と決めていたのですが、
実はあまり良い店が多くないのです。

パブが数軒と、あとはテイクアウェイ系。
惣菜店などは夕方には閉まってしまいます。

結局、前回も入った中華料理店「龍宮」へ。
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味は、まあ「並」ですね。
特に美味しくもまずくもない。
なんでもそうかもしれませんが、都市部に比べて競争が少ないので、
どうしてもこんなレベルになってしまうのかもしれません。

食事後は、ボートに帰ってシャワー。
翌日のクルーズに備えます。

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by narrowboat | 2017-08-25 14:52 | 2017年家族ナローボート旅行 | Comments(0)