イギリスの運河には、その専門雑誌というものが存在します。
日本だと、ヨット雑誌がいくつかあるくらいですが、
イギリスには、外洋船にも数誌別にありますから、
広い意味でのボート人口が格段に違うことが想像できるでしょう。
それでも近年は、ネットに押され気味。
昔は3誌あったはずですが、今回は1誌しかみつかりませんでした。
その代わり、フリーペーパーも幅を利かせていて、
運河雑誌のマーケットも変わりつつあります。
以前は定期購読していた"Waterways World"。
もう読んではいませんが、ちょうど年鑑があったので、購入。
距離、ロックの数など、
ボーターにはうれしい情報が掲載されているので、
ハイヤーする時にも便利。
付録の運河地図も、ハイヤーカンパニーを探すのに重宝します。
面白いのは、ボートを所有する場合の費用についての記事。
まだ中身は読んでいませんが、
ボートの大きさ別のライセンス料、
係留、保険、船検の費用などが記事になっています。
家と同じですから、船体買っても、毎年いろいろな費用がかかることがわかります。
フリーペーパーは、前からある新聞スタイルの"Towpath Talk"
一面のは、ロンドンのボート急増の記事。
2012年の2326艘から、2019年の4274艘へと、84%増となったそうです。
これは、登録数ではなく、
運河を管理するCRTがカウントしたもの。
問題なのは、係留場をロンドンに持たずに入ってくるボートで、
これは、2012年の638艘から、2019年の2208艘へと、
なんと246%の増加となっています。
中には、、移動を繰り返しながらビジター用の係留場を「占拠」する輩もいて、
ロンドン市内の係留問題を悪化させています。
雑誌スタイルの"Tillergraph"は、今回初めて見ました。
Tiller(舵棒)とTelegraph(新聞)を掛け合わせた、
ダジャレネーミング(笑)
フリーなので、広告だらけの印象は否めませんが、
これも時代なんでしょう。
こちらを出版しているのは、
"Canal Boat"という月刊誌です。
中を読んでみると、
このフリーペーパー以外に、
有料の本誌にもまだ出しているようなので、
"Waterways World"だけではなかったんですね。
内容は、各運河や河川のクルーズ・レポートや、
インテリアのアレンジ案など、昔ながら。
アプリもあるそうなので、さっそくダウンロードしました。
産業革命時代のままの運河ですが、それを取り巻く環境は、
日々変化しているようです。