イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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運河フェスティバル:お祭りか? それともビジネスか?

 ボーターはお祭り好きだ。いつもは孤独に水の上。でもたまにはみんなで騒ぐのもいい、というのが本音なのだろうか。
 ボートが集まるお祭りは、運河という運河で開催されている。中心は春から秋だが、特に夏の真っ最中は、毎日のどこかでお祭りが開かれているといっても過言ではない。

 お祭りには大きく分けて2つある。ひとつは「ラリー」とか「ギャザリング」と言われているもので、これはオーナーたちがマイボートで集まり、いっしょにクルーズしたりパーティを開いたりするもの。中には「この歴史的な建物を潰すとはなにごとか!」と水上デモよろしくメッセージを振りまく目的のはっきりしたラリーもある。
 ラリーやギャザリングが基本的にマイボートを持ったオーナーしか参加できないのに対し、「フェスティバル」は誰でも楽しめるイベントだ。フェスティバルは緑地や公園、マリーナなどで行われるので、ボーターよりも車やバスで来る人のほうが多いくらいである。


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 フェスティバルも大小さまざま、いろいろな場所で開かれている。中でも大きいのは、ミッドランズ(イギリス中部)のクリックで毎年6月に行われている「クリック・ボートショウ」(写真)と、インランド・ウォーターウェイズ・アソシエイション(IWA)が毎年夏に場所を変えて開催している「ナショナル・ウォーターウェイズ・フェスティバル」の2つ。
 これらのフェスティバルの特徴は、その規模の大きさや参加するボートや入場者の多さもさることながら、お祭りというよりもトレードショウ(見本市)の色が濃いことだ。もちろんマイボートで参加しているボーターもいるのだが、彼らが会場の外の運河に並べられているのに対して、会場内には造船所や部品メーカーのブースがズラリ。造船所はピカピカのボートを並べて購買意欲を盛り上げるし、エンジンメーカーはビンテージエンジンを試運転させてボーターのアドレナリンを刺激する。運河とは関係なさそうな馬乗りや大道芸人のショウも用意されているところは、ファミリーへの配慮だろう。

 このほか、毎年1月初旬にある「ロンドン国際ボートショウ」などインドアで行われるイベントもあるが、やはりそこはビジネスの場という感じ。それに対して、ボーターの、ボーターによる、ボーターのためのフェスティバルがロンドンで行われている「ロンドン・カナルウェイ・カバルケイド」だ。

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 カナルウェイ・カバルケイドは、ちょうど日本のゴールデンウィークの時期にあるバンクホリディ(祝日)の前後3日間、ロンドンのリトルベニスで開催される。いつもはカムデンマーケットに行く観光ナローボートくらいしか通らないリトルベニスだが、この時ばかりは200艘ものナローボートで埋めつくされ、私が行った時は観光客も加わって大変な賑わいだった。
 トゥパスにテントが並ぶのは大きなクリックやIWAのフェスティバルと同じだが、出しているのはほとんどがカナルトラストで、カナルアートの小物を売ったりビールや食事を出すテントがわずかにある以外、業者は出展していない。夜は夜で、イルミネーションで飾り付けたナローボートのパレードやジャズコンサートがあったりして、ボーターでもなくても楽しめるイベントになっている。


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 ちなみにこの写真は、クルーズ中にちょうど通りかかった小さなフェスティバル。小さな会場だったが、結構にぎわっていた。ただ写真にあるブラスバンドの演奏は、素人が聴いてもかなりひどいものだったが・・・・・^^;


 フェスティバルに参加する人、見に来る人。その数を見るだけで、イギリスにおけるナローボート文化の広さと深さをいつも感じてしまう私である。


☆発行者 カナルマニアHP
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by narrowboat | 2005-11-21 17:30 | エッセイ | Comments(0)