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イギリスの運河ではナローボートという船を借りて、誰でも免許なしでクルーズが楽しめる。『英国運河の旅』、『イギリス式極楽水上生活』、『イギリス水辺の旅』の著者が具体的な旅のノウハウを伝授します。


by narrowboat
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産業革命の功労者は誰だ?

イギリスの鉄道に伝ちょっと調べる機会があり、
蒸気機関車を発明したスチーブンソンの子供向け伝記を読みました。

その巻末の解説には、こんなリストがあります。

1769年 アークライト、水力紡績機を発明
1776年 ワット、蒸気機関を発明
1785年 カートライト、紡績機に蒸気機関を取り付ける
1801年 トレビシック、蒸気車を発明
1807年 フルトン、蒸気船を完成
1830年 スチーブンソン、リバプールとマンチェスター間で蒸気機関車を走らせる


そう、運河の記述がないのです。

学校の教科書も同じようなものだと思いますが、
イギリス産業革命を支えた運河や、その建設に関わった技師についてはまったく言及されていません。

しかも、初めて建設されたブリッジウォーター運河は1761年に開通しています。
つまり、アークライトよりも早いのです。

百歩譲って、ブリッジウォーター公爵やジェームズ・ブリンドリーの名前はあきらめますが、
トーマス・テルフォードさえ入っていないのはどういうことでしょうか。

運河技師としてポントカサステ水道橋など数多くの作品を残したことはもちろんですが、
ホーリーヘッド道路をはじめ、土木一般に多くの功績を残した人です。

彼がいなかったら、スチーブンソンが作ったSLを走らせるレールさえ敷かれなかったでしょう。


イギリス運河を教科書に一行でも載せてもらえれば、
ナローボートの旅ももっと皆さんに知ってもらえると思うのですが。
by narrowboat | 2008-03-29 17:23 | 英国運河とナローボートの旅 | Comments(0)